エピソード5 かかりつけ医
お家の「かかりつけ医」になりたい・・・
今から5年くらい前のことだったと思います。以前勤めていた会社で新築工事を担当したお客様のお家にアフターフォローでお伺いしたときのことです。電話でご連絡いただいた内容は、脱衣室入口の片引き戸が固くなっていて、見てほしいとのことでした。ドライバーで戸車の調整かと思っていましたが、敷居との離れもよく、そうではなさそうでした。いったん、扉を外してみてすぐに原因がわかりました。小さな子供さんのものと思われるおもちゃが、敷居と扉の隙間にはさまっていて、扉が開閉しにくくなっていたのです。おもちゃをよけると、すぐに治りました。
お家におられたおばあちゃんに、原因を説明し、帰ろうとしたときにこう言われました。
「また来てな、あんたはこの家のお医者さんだけ」
わたしはハッとしました。古い家を解体し、基礎工事からお引渡しまで、このお家のことはよく知っています。検査をしたり、骨組みの木軸をチェックしたり、お客様や職人さんと打ち合わせをしてきたのもわたしです。なるほど、まさにお家の「かかりつけ医」!なんと素敵な仕事をしているのだろう!!うれしかったわたしは次の日の会社の朝礼でこのできごとを紹介したのでした。
一か月ほど前、ある築47年の🏠お家の調査をしました。地震や風圧に耐えてくれる木の斜材の筋かいが、当時の設計通りに取り付けられているかの調査です。実際、屋根裏や床下で確認できるところもありましたが、ほとんどが見にくく、この筋かいセンサーで確認することとなりました。これぞお家のレントゲン🦴写真かもしれませんね。
この調査結果をもとに、どこにどのような補強をするのか考えます。お家の調査をし、健康なお家にしていくのがわたしの仕事です。仕事を通しながら、長いお付き合いもしたいですね。
お家の「かかりつけ医」はわたしの目指すところです。