エピソード14 窓バナ
「東に窓をつくろーよ、朝日がとってもきれいだよ♪」山陰の昭和のひとたちにはこのCMソングが耳に残っています。
窓には採光・通風・換気・眺めなど、お家にとって重要な役割を持っています。その役割や対候性により、材料にはガラス・アルミニウム合金が主に使われてきました。
ところが、このガラスとアルミニウムはとても熱を伝えやすい物質です。💦熱伝導率(熱の伝わりやすさ・値が大きいほどよく伝える・W/(m・k))は
ガラス 1.0 アルミニウム 236
空気 0.02 木材 0.12 水 0.6 コンクリート 1.6 鉄 83.5 銅 403
硬質塩化ビニル 0.16 土壁0.69 石膏ボード 0.22
熱を伝えやすい物質で作られた窓はどれくらいお家の温熱環境に影響を及ぼしているのでしょう。
図をご覧の通り、小面積にもかかわらず、熱の移動の6割~7割は窓からが原因です。床・壁・天井・屋根の断熱性能を上げるより、窓の断熱性能を上げるのが効果的なのがわかります。
現在、脱炭素・地球温暖化対策のなかの一つに、お家の断熱性能の向上が挙げられています。冷暖房エネルギーを減らせば、エネルギーをつくるときに出るCO2の削減につながります。断熱性能の向上のために欠かせないのが「窓の改修」です。
じゃーどがにーするー
現在、様々な窓が開発・流通しています。当然、性能が上がれば高価になります。新築工事では予算によって新しい窓を選ぶことができますが、改修工事の場合、少し事情が変わります。
①現場でのサッシ取替が可能か⁉(外壁がはがせない・外に必要な足場がたたない)
性能の良い新しい窓への交換をするためには、古いサッシを取り外す必要があります。その際、外壁の工事が関わります。2階の窓で下屋根がなければ、足場も必要になります。
②カバー工法によるサッシの取替
外壁をそのままにして、窓の取替ができます。ただし、コストは高いです。W1.8mH1m程度の引違窓で1カ所15万円程度かかります。
③内窓を取り付けるか、ガラス部分のみの交換
ガラス部分だけの改修では、熱伝導率の高いアルミ部分は残り、現在の窓のフレームに適合できるガラスの厚みは限られます。真空ペアガラスもありますが、コストが上がっていきます。
内窓は開閉時に2回窓を開けるわずらわしさ、また内側に出っ張ってきますので部屋のスペースや見た目の問題がデメリットです。内窓にはLIXIL製のインプラスのような樹脂製のもの、他社では木製のもの等があります。年々ガラス部分の性能があがり、トリプルガラスも選択できるようになってきました。
やっぱりゾーン断熱
お家を屋根と柱と基礎を残して改修するフルリノベーションは新築並みのコストがかかります。改修を望まれる方の多くは、そこまでのコストを考えてはおられないでしょう。
現在の家族構成や状況に合わせて、生活の基本となるスペースに限定して改修をおこなうゾーン断熱はご予算に合わせたご提案が可能です。生活上必要のない部屋で新しいサッシに取替することはコスト上、あまりおすすめはしません。わずかでもゾーン断熱のエリア内での窓の性能を向上させていくことが、お客様の健康で快適な生活につながり、地球やお財布にもやさしいご提案だと思っています。