エピソード12 職人さんがいなくなる!?
キケン・キツイ・キタナイ!
建設業は「3K」と言われてきました。
私もまさかそんな建設業で独立開業するとは思いませんでした💦
どの業種もかもしれませんが、この建設業でも人手不足の問題が今、顕著になっています。
小学生の将来なりたい職業ランキングは皆様も一度は見られたことがあるのではないでしょうか。
私の小学生だった40年前の状況とは様変わりしていますね。
たしか、男子はプロ野球選手や大工さん、先生が上位にいつもランキングしていたような・・・
調査会社により少し変わりますが、日本FP協会の過去15年間のランキングをみてみると、10位前後に「建築士」「大工」が位置しています。少し安心しました!子供たちに忘れられてなないようですね。
大工不足問題
さかのぼること4年前の2018年に野村総研で予測されていたことです。
2010年にいた大工さんは40万人。2020年には10万人減って、30万人。2030年には21万人。
大工さん一人に対して新築住宅着工数が2010年で2件だったのが、2030年には≒3件となります。
仕事の効率を1.4倍上げないと、新築着工ができない状況です。
2030年度の新設住宅着工戸数は60万戸、大工の人数は21万人に減少~人手不足が深刻化し建設現場の飛躍的な生産性向上が急務~ | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)
つまり、大工さんの不足はすでに警告されていたことなのです。減少し続ける新築着工ベースでこの状況ですから、かたや需要が今後横ばいと言われているリフォーム工事も併せて考えると、とても恐ろしい人手不足の状況が予測されます。
これは大工さんに限らず、建設業全職種に共通するのではと思います。私の周りの職人さんに聞いても、人手不足の状況はどの業種も皆さん同じです。現場にきていただく職人さんを見ると、いちばん若くても30代半ば、ましてや20代の職人さんにはほぼ出会うことがなくなってきました。
いまどきの建設業
建設業新3Kは給与キュウヨ・休暇キュウカ・希望キボウだそうです。
確かに最近地元ゼネコンさんの工事や公共工事を中心に週休2日の現場をよく見ますし、現場の装備や施設・職場環境の向上も見られるようです。
ですが、私の会社含め、多くを占める零細企業・個人事業主では、なかなかその実現が難しい状況にいまだにあるのではないでしょうか。忙しくてもいただける仕事は断れないので、休暇が取りにくく、また、以前からの工事単価を急には変えれない弱い立場なのです。以前、私も地元では有力な建設会社につとめていましたが、今や仕事をいただいたり、個人で営業する立場になると、当時の協力業者さんの大変さを感じています。
毎日が大変で、これでは、希望をもって建設業に入ってくる若者も離職してしまいます。💦
いまどきの中高生
ソニー生命保険の中高生が思い描く将来についての意識調査2021をみてみます。
中高生が思い描く将来についての意識調査2021 | ソニー生命保険 (sonylife.co.jp)
いまの大人に対するイメージでは中学生の82%が「大変そう」59%が「楽しくなさそう」
高校生は90%が「疲れている」68%が「暗い」と回答
「安定した仕事」より「好きなことを仕事にする」ことを望んでいることがわかります。
いきなり中高生に建設業の良さを伝えようとしても難しいと思います。実際にものづくりを体験したり、日常的に良いイメージをもってもらえることが「好きな仕事」の選択肢の一つになっていくのではないでしょうか。きっかけができ、時間をかけて、仕事の楽しさを積み重ね、「本当に好きな仕事」になれば、大きな夢や希望がもてる業界だと感じてくれるはずです。
じゃあ、どがにーするー?
工務店とその協力業者さんでつくるグループがベースになるかと思いますが、このグループで職人育成体制を整えます。何事も一業者では無理がありますので、数が必要です。
建設業のどこか怖いおじさんのイメージから楽しい・かっこいい✨イメージに変えて、若者に建設業に振り向いてもらえることができないか。協力業者さんに対し、上から目線ではなく、給与・社会保険のことや、休暇にかかわる工程のことなどが、これからの建設業のために同じ目線で話し合える体制づくり。新しく入って来る若者の育成をそのグループ内で協力し合える体制づくり。地元高校生・短大生への就職活動や職場体験。長期的には地元の小学校へ訪問し、図工の出張授業やボランティアで、子供たちにものづくりの楽しさや、建設業に対する良いイメージを心に感じてもらえるような活動。
このようなことを考えています。
難しいといわれる人もいるでしょう。ですが、この職人不足問題は重要かつ緊急の課題です。
「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」(上杉鷹山)ですね❕