エピソード15 ボロンdeシロアリ→ゴロン
お家の改修工事では解体から行うことが多いです。昔のお風呂は現在のようなユニットバスではなく、造り付けてあるお風呂がほとんどです。特に水回りの解体では木材の劣化がすすんでいることを発見することが多いです。私の体験してきた現場では、お風呂と脱衣室の間にある土台などの床を支える木材は、残念ながら多くの現場で腐朽していたと思います。
土台を交換するとなると、その上に載っている脱衣室の床を一度解体します。それから土台を交換し、床をつくっていきます。その際、新しい床は新しい木材を使用します。新築工事ではシロアリ駆除業者さんに工事の進捗をみながら、土壌や木材に薬剤での防蟻処理を行っていただくことが普通です。
浴室だけのような規模の小さな改修工事でもその処理がきちんとできているでしょうか。
工期やコストの問題で目をつむってしまってはいないでしょうか。
木造住宅の劣化の原因は主に木材腐朽菌・シロアリだといわれています。阪神大震災での倒壊住宅の8~9割で腐朽菌やシロアリの被害が発見されたそうです。
腐朽菌とシロアリの生息する4要素は同じで「空気」「温度」「水分」「栄養(木材)」です。「水分」だけが、人間でコントロールが可能なところです。漏水・結露対策が重要となります。
ボロンって何?
ボロンとはホウ素のことをいいます。原子番号5番で、酸素と結合しホウ酸として自然界に存在しています。
ホウ酸と聞けば、ゴキブリ用のホウ酸団子ですね。ホウ酸は人間など腎臓を持つほ乳類は大量摂取しない限り、問題はないそうです。ゴキブリやゴキブリの仲間となるシロアリ、腐朽菌は腎臓がないため、微量でも死んでしまうようです。
日本の防蟻対策
アメリカでは住宅の内部に使用できる防蟻剤はこのホウ素系のみです。
日本ではというと、、
殺虫成分のある農薬系のものが主流です。人間への影響を少なくするために5年で分解される成分だそうです。
ということは、5年で効果がなくなることになります。床下なら5年後でも点検できるでしょうが、外壁材と内壁材にサンドイッチされ、見えない状態の柱などはどうやって点検できるのでしょうか。
ヒノキ材は腐りにくいから大丈夫というヒノキ神話も被害報告から警鐘が鳴らされています。
じゃあどがにーするー
ホウ素は安定した無機物で、効果が長期にわたり期待できます。(地面に接したり、流水にさらされる湿潤状況除く)
またお家の気密性が高まる中、揮発性もなく安全な空気室内環境が保たれます。2011年にホウ素系のものも防腐防蟻剤として日本で認可が下りました。
ハウスクリバーではお家も住まい手も喜ぶこのホウ素系のものを推奨いたしております。
小工事でもこまやかに対応できるよう、このたびエコパウダー社の「エコボロンPRO」の認定施工士の研修を受講しました。この商品は熊本城をはじめとする様々な文化財の木材保存処理にも使われています。